MIYABIの部屋

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レビュー『謎解きはディナーのあとで』


東川篤哉の大ヒット推理小説謎解きはディナーのあとで
ドラマ・映画・演劇化もされ現シリーズ3冊が刊行されております。
1話完結の6編成短編形式で、通勤タイムにサクッと読了。
2011年には本屋大賞を受賞し、100万部を超える大ベストセラー。
小学館から発行なだけに、難解な漢字も無く年齢問わずに楽しめるエンタメミステリーです。
 
大富豪のお嬢様刑事が遭遇した迷宮入り寸前(!?)の殺人事件。
概要を聞いただけでその謎を推理し、真相解明へと導く執事兼運転手 影山(カゲヤマ)。
このような現場に赴く事なく、事件を推理するミステリーを安楽椅子探偵と呼ぶのだそうです。

<主な登場人物>
宝生麗子―――ドラマでは北川景子さん扮する新米お嬢様刑事。
しかしその正体は世界にその名を轟かす宝生グループ総帥の一人娘。
警察内部では大富豪の娘である事はヒミツ。

風祭警部―――ドラマでは椎名桔平さんが演じられた麗子の直属の上司。
自動車会社の御曹司でもある成金ボンボン刑事。
麗子を好意的に想っているが当の麗子からは煙たがられている。

影山―――ドラマでは櫻井翔さん扮する宝生家に仕える執事兼運転手。
プロ野球選手かプロの探偵になるのが夢だっただけに、軽い身のこなしと鋭い洞察力を兼ね備えているが時に麗子には無礼な振る舞いも…。

謎解きに関しては、特に目新しいトリックも無く“そんなオチの為に捜査してたの!?”と苦笑いせざるを得ない軽いテイストなので、
本格ミステリー愛読者の方には少し物足りなさを感じるかもしれません。
ただ、キャラ立ちがしっかりしているのでお嬢様を蔑む毒舌執事との掛け合いを愉しむコメディー小説♪と前提にお読みするのがベストかと思います☆

ネタバレはありませんが、ドラマやCMで聞き覚えのある執事 影山の、
丁寧かつ慇懃無礼な暴言を添えて収録作品を記述します。

〈第1話〉殺人現場では靴をお脱ぎください
「失礼ながらお嬢様―この程度の真相がお判りにならないとは、お嬢様はアホでいらっしゃいますか」

〈第2話〉殺しのワインはいかがでしょう
「失礼ながらお嬢様―ひょっとしてお嬢様の目は節穴でございますか?」

〈第3話〉綺麗な薔薇には殺意がございます
失礼ながらお嬢様―こんな簡単なこともお判りにならないなんて、それでもお嬢様はプロの刑事でございますか。正直ズブの素人よりレベルが低くていらっしゃいます」

〈第4話〉花嫁は密室の中でございます
「うーむ、あれが沢村家のお嬢様でございますか。さすが本物は違うものでございます」

〈第5話〉二股にはお気をつけください
「失礼ながらお嬢様―やはりしばらくの間、引っ込んでいてくださいますか」

〈第6話〉死者からの伝言をどうぞ
「お許しください、お嬢様。わたくしチャンチャラおかしくて横っ腹が痛うございます」

〈文庫版書き下ろし〉宝生家の異常な愛
「お嬢様、残念ながら、お嬢様のお考えは犬に食わせるほどの値打ちもございません」

世界に名高い大企業のご令嬢相手に執事とはあるまじき暴言の数々。
「クビよ、クビ!絶対クビ!クビクビクビクビクビクビo(*>皿<)o・・・・」
と激昂しつつも、名探偵さながらの推理力で問題解決の糸口を見出だす毒舌執事を苦々しく思いながら、それでも頼ってしまうお嬢様がもう可愛くて仕方ないです♡

・・・そう言えばお嬢様キャラの名前『麗子』って多いですね。
白鳥麗子でございます!とかこち亀にもたしか麗子さんいましたよね♫

シリーズ制覇 してみようかな。
謎解きはディナーのあとで』★★★☆☆