MIYABIの部屋

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レビュー『ポイズンドーター・ホーリーマザー』


『ポイズンドーター・ホーリーマザー』
祝!デビュー10周年の湊かなえさんです。
『未来』『ユートピア』とで迷ったけれど「湊かなえ原点回帰」の一文に惹かれ、まずはこちらの文庫新刊から読んでみた。
母と娘、姉と妹、女友達、男と女…様々な感情が交錯する6編成連作短編で2016年の直木賞候補作です。


詳細はまだ未明ですがWOWOWで連続ドラマ化も決定していて、活字だけでもあんなにイヤな気持ちになったのに、、、更にそこに感情や音響が加わったならどうなっちゃうんだろう…。続報に期待です。


※一部ネタバレがあります。
未読の方はくれぐれもご注意下さい。



『ポイズンドーター・ホーリーマザー』
収録作品/主な登場人物とあらすじ

#1 マイディアレスト
教育熱心で貞淑な母、性に奔放な妹。
そして40歳近くまで母の教えを守り飼い猫にだけ心を開いてきた姉。
姉淑子が暮らす実家近隣では妊婦を狙った連続暴行事件が多発している中、出来婚した妹有紗が帰ってくる。

#2 ベストフレンド
脚本家志望の漣涼香と大豆生田薫子。
賞レースではいつも常連の二人。
読めない名前の女の活躍に嫉妬と敵愾心を抱く涼香についに対面の機が訪れる。
因みにルビは「さざなみ」と「まみゅうだ」と読む模様…。

#3 罪深き女
母子家庭で育った天野幸奈と黒田正幸。
幼少の頃、同じアパートに住んでいた二人。
シングルマザーの母の顔色を伺いながら暮らす幸奈にとって、6つ下の正幸は癒しであり守ってあげたい存在だった…。

#4 優しい人
殺人事件の容疑者となった樋口明日実。
彼女は「優しすぎて」殺人を犯してしまう。
 被害者の男性について母親・教師・友人・同僚の証言をもとに、教育ママの母ひとり子ひとりで育った明日美の幼少期と、その人物像を紐解いていく…。

#5 ポイズンドーター
女優 藤吉弓香は、自分を思い通りにコントロールしようとする母親の存在に小さいころから悩まされてきた。
私はあなたの奴隷じゃない!
親元を離れてからもそれは変わらず、遂に弓香は全国ネットで“毒親”を告発する。

#6 ホーリーマザー
弓香の独白に賑わう世間とマスコミ。
そして真っ向から反論する母親側の主張。
教育と愛情と支配の境界線とは?どの線を超えたら毒親?親の管理下でどこまで反発したなら毒娘?曖昧で複雑で、難しい。


*****


6作品何れ劣らぬ不快感(←褒めてます)
マウンティングする側される側、妬み嫉み僻みがギリギリと音を上げて聴こえてきそうな、ある意味わたしの精神衛生状態もギリギリな感じでしたね。

でも読むの止めようなんて一瞬たりとも思わなかったし!!ページが進む♪進む♪
人の不幸は密の味!?良いぞもっとやれ的な…^^;
これだから愛憎劇はやめられません。

最近では女のドロドロものは真梨幸子さんしか読まなくなっちゃったけど…
いたよここにもイヤミスの女王が!!
私の読んだタイミングの問題ではあるんだけど、“つか湊かなえ、昔より腕おちたよねえ〰️”などと、生意気な口叩いてホントすいませんっしたm(。≧Д≦。)m

湊さんと真梨さんばっかり交互に読んでたら、私どんどん性格歪みそう

でもやっぱり好きなんだなぁ。


連ドラいまから楽しみです。
湊かなえ著『ポイズンドーター・ホーリーマザー』★★★★☆