MIYABIの部屋

いつの日もこの胸に流れてるメロディー

レビュー『魍魎の匣②』

 
前回、本編の内容以外の所に熱が入ってしまい(--;)
2度に分けてレビューをさせて頂きます。

順番が逆な気が致しますが(^-^;
主要な登場人物を簡単に紹介しますと、

中禅寺秋彦 チュウゼンジ アキヒコ
中野の古本屋「京極堂」の店主。
日常的に和装を着用し、芥川龍之介を彷彿する風貌を更に仏頂面にし屋内に乱雑する本を読んでおり、災いを運んでくる友人達の(←彼は知人と称している)来訪に冷ややかな眼差しを送る。
職業柄、宗教や土地に纏わる口碑伝承の知識が豊富で論客としての才も秀でている。

榎木津礼二郎 エノキヅ レイジロウ
神田の「薔薇十字探偵社」取締役探偵。
華族の出自で京極堂の1期先輩にあたる。文武両道に優れ西洋人形の様な端正な顔立ちのハイスペック紳士な反面、躁病のきらいがあり言動行動は常に破茶滅茶で、彼が出張ると解決どころか破壊或いは粉砕してしまう天衣無縫の探偵。
自らを神と称し凡人は全て彼の下僕として扱う。

関口巽 セキグチ タツミ
全シリーズの語り部&売れない小説家。
京極堂とは中学からの旧知の関係で(京極堂には友人とは思って貰えてはいない)榎木津の下僕。
学生時代にうつ病を患いそれ以来、対人恐怖症、失語症、精神不安定など常にウジウジした陰鬱な雰囲気を醸し出しているが、
それが故に京極堂や榎木津等のイジられキャラとして確固たる地位を定着させている。

木場修太郎 キバ シュウタロウ
東京警視庁捜査一課の刑事。
榎木津礼二郎の幼馴染みで、見た目はヤ○ザと見間違う程のイカつい強面と、体格はゴツく強靭な肉体、口より先に手が出る無頼漢から「鬼の木場修」の異名を持つ。その見た目からは想像に難しいが内面は案外情に熱くナイーブである。

この“京極堂一味”を中心に、

関口が週刊誌、雑誌記者経由で曰く付きのネタを入手
関口、独自調査を仕掛けるが木場に玉砕される
関口、捜査協力に榎木津を頼るが粉砕される
京極堂に駆け込む( ̄■ ̄;)

というドラえもん的な構図^^;で事件の核心に迫って行くという長編推理小説です。

その主な内容ですが…

Ⅰ. 楠本頼子の親友 柚木加菜子は夜の湖に向かう途中、駅のホームから転落し電車と衝突事故を起こす。
その車両に居合わせた木場は、病院の搬送に動向する事になる。
助かる望みが乏しい加菜子が搬送されたその病院は、不気味な程に真四角な、箱型をした堅固な要塞であった。

Ⅱ.関口は、糊口を凌ぐため下等大衆誌にも筆を執っており、雑誌記者の鳥口からどんな禍いでも霊験あらたかな箱の中に封じ込めてしまうという「穢封じ御筥様」なる祈祷師が三鷹にいて、世間を震撼させている連続バラバラ殺人事件とのある共通点を見つけた、と同行取材を持ち掛けられる…。

Ⅲ.将来有望の若手新人作家、久保竣公の連載小説
「匣の中の娘」の一文。
その内容は日本人形の様な綺麗な娘の、胸から上だけがぴったりと収まった箱を大事そうに抱える男がいる。男は時折その箱に話しかけると、鈴が転がる様な声で「ほう、」と返事が返る。人形はまるで生きているように見える…。

ここいら迄がネタバレのギリかな(-_-;)
箱に纏わる不可解な出来事が至るところで箱、筥、匣・・・
閉ざされた箱の中を開けた時の真実は!?
幾重にも仕掛けられた伏線をどう回収してくれるのか!?
如何にして京極堂は憑き物を落としてくれるのか!?
読み出したらこんな厚み「ノープロブレム‼」でした♪

1週間位で読了した様な遠い記憶…。
そしてこの1冊で私は一切調査をしない探偵、榎木津礼二郎を神と崇める信者と相成りました(*´∀`*)
如何に読まず嫌いだった過去の自分を悔い改めましたね~。

もはや“出る出る詐偽”化している新刊『鵺の碑』を手にする日はいつ来るのだろうか…ご存知の方誰か教えて下さーい(;´Д⊂)

魍魎の匣』★★★★★