MIYABIの部屋

いつの日もこの胸に流れてるメロディー

レビュー『震える牛』

 

相場英雄『震える牛』―BSEとは牛海綿状脳症
Bovine Spongiform Encephalopathyの略で、
簡単に説明するとこの病気に感染した牛の脳がスポンジ状となり、脳の異常から様々な障害をもたらしやがて死に至る。
 
 
数年前、脚をガクガクとよろめかせる牛の映像が連日ニュースで報道され、そのショッキングな映像に震撼された方も大勢いらっしゃると思います。

社会派の警察ミステリーなので、文体は固く私の興が乗ってくるまで徐行発進でしたが、件の肉の布石が背後に見え隠れして来てからは急速に面白さは加速して、そこからはノンストップでした。

未解決殺人事件を追う昔気質な刑事と、
低価格が売りの大型ショッピングセンターの違法疑惑を暴く女性記者の
2つの捜査線から、表題の真相にリンクして行きます。

読みながら「ミー※ホ※プの事よね!?」
と世間を騒がせたあの食品偽装事件が頭を過りました。
この騒動を下敷きにした創作ミステリーなのですが
この精肉業者がまぁーヒドイ‼((( ;゚Д゚)))ガクガク

つい最近の中国の杜撰すぎる食品衛生管理の更に斜め上を行く
消費者を欺く食品加工の描写を読むと恐ろしくて恐ろしくて…
震えますガクガク((( ;゚Д゚)))ブルブル

無性にジャンキーなものが食べたくなる時って皆あると思いますが…
これを読んだら当分口にしたいとは思わなくなるでしょう。

特売のハンバーグやお徳用の加工肉の原料(豚・牛とありますが)一体どの部位と何と何が混ぜ込まれているのかΣ(゚д゚lll)

・・・まぁ物語の本筋はそこでは無いのですが色々考えてしまいます。
自分の食は自分で守る他ありませんからね。
少しは外食控えて積極的に自炊しなきゃな~(-""-;)

ドラマ版もレンタルで見ましたが、三上博史さん、小林薫さん、古田新太さん他、演技派の俳優さん揃いで原作にも忠実で良く出来てたと思います。

相場英雄さんは初めましての作家さんでしたが
他作も読んでみたくなりました。

震える牛』★★★★☆