MIYABIの部屋

いつの日もこの胸に流れてるメロディー

レビュー『残月 みをつくし料理帖』


高田郁著『みをつくし料理帖シリーズ』
第8段 残月
前作「夏天の虹」では破局の心労から味覚障害を患った澪。又次が住込でつる家を手伝い、無骨だけど心の奥の温かさに触れ、今や又次は大事なつる家の一員であり家族であると一行は感謝する最中…吉原一帯に大火が襲う!
 
 
又次を喪った哀しみがショック療法となり、味覚を取り戻した澪。
しかしつる家の面々の落胆は計り知れない…。
(ついでに私の又次ロスもかなり深い所まできている💦)

以下、あらすじと献立です。
残月―かのひとの面影膳
又次の死から四十九日を迎える頃、澪の暮らす江戸では子供を中心に疫病が猛威を奮い、町全体が哀しみに満ちていた。
三日精進に習いつる家でも、其々の懐かしむ人に捧ぐ精進料理膳で故人の思い出を偲ぶ…。

彼岸まで―慰め海苔巻
かんぴょう巻きの干瓢が夕顔の実という事を、初めて知りました。
更に澪のやるべき項目のひとつに大きな進展が起こり、
芳でさえ冷静さを欠いている。
尋ね人は云う「登龍楼には関わるな」この忠告の意味する真意とは…。

みくじは吉―麗し鼈甲珠
天満一兆庵の再建に黄色信号が灯るなか仇敵 登龍楼の主から、
新作料理での腕試しを持ち掛けられ、近付いてはならぬ相手なのに吉原で自分の味が通用するのか…衝動が止められない。
幼馴染みと今は亡き料理人からの声なき声に背を押され至極の逸品が完成する。

寒中の麦―心ゆるす葛湯
大阪の名店天満一兆庵の元女将、主人の嘉兵衛亡き後、
失踪した若旦那と江戸でもう1度暖簾を掲げる事を生きる縁に、
澪と二人手を取り合い生きてきたご寮さんに後添を申し込む人物が。
そして澪も、前に進む為にある決意を胸にする…。

「料理は愛情」とは本当によく言ったもので食して頂く人を想い、
手を籠めた料理は必ずや相手に伝わるのね…と心がじんわり(*´ー`*)

ここ数ヵ月、つる家に出入りする人々の世界に浸っているので、
リアルタイムで連続ドラマを追いかけている様な…
なんか不思議な感覚です。
あと2つで完結…でもまだ終わって欲しくない(/≧◇≦\)アーーー

勿体つけて⑨⑩は来年に持ち越そうかな…
『残月 みをつくし料理帖』★★★★★