MIYABIの部屋

いつの日もこの胸に流れてるメロディー

レビュー『ナミヤ雑貨店の奇跡』


まだ今年に入って一月が経ったばかりですが
ワタクシ的今季ベスト小説トップ3に入るであろう1冊と
早くも出会ってしまいました!!
東野圭吾…どうしたらこんなに素晴らしい作品を貴方様は次々と生み出せるのでしょうか・・・(号泣)


この本を読めた事、出逢えた事を嬉しく思います!

一言でいえば「タイムスリップ」小説。
・・・になるのですが、でも時空を越えるのは人ではなく手紙。
5つのエピソードが導く奇跡のファンタジーとでも申しましょうか!?
各章の物語がちょっとずつ関連性を持ちながら、最後1つに繋がっていく構成なのですが、その伏線の畳まれ方がそれはもう見事で…
最終章は終始鳥肌が立ちっぱなしでした!
ラスト1頁は嗚咽で涙と洟がとにかくヤバかったです‼

――どんなお悩みも解決してくれると評判のナミヤ雑貨店――
齢72才の店主 浪矢雄治さんが、子ども達からのお悩み相談に
真摯に返信している事が口コミで拡がり 雑誌にも掲載された。
お爺さんが1番悩む相談事は恋のお悩みであるという…( *´艸`)
そしてその雑貨店には信じ難い“ある秘密”が隠されていたのです。

敦也  翔太  幸平のいわゆる落ちこぼれのコソ泥3人組が逃走の末、
逃げ込んだ先は廃墟に成り果てた元雑貨店。
既に廃業している店内に、届く筈のない手紙がシャッターの郵便受けから
「パサリ…」それは過去からの手紙。
そこから始まる時空を越えた奇跡の物語。

と、ここまでは背表紙や公式HPの紹介を掻い摘んだもので
私が本当に書き残しておきたいのはその往復書簡の内容なのですが・・・
完全ネタバレになるので今回は目次だけ。
気になる方は是非、お手に取って読んでみて下さい♡

第1章  回答は牛乳箱に
    第2章  夜更けにハーモニカを
         第3章   シビックで朝まで
            第4章   黙禱はビートルズ
                第5章   空の上から祈りを


皆誰しも大なり小なり Aの道を選ぶか Bの道を選ぶか…
こんな人生の岐路に遭遇した経験の1つや2つきっとあると思います。
自分の中で答えは出ているはずなのに 誰かに背中を押して欲しかったり、
自分で選んだ道なのに もう一方を選んでいればもっと違った人生が送れてたはずだと愚痴ってみたり。

「これでいいと思う!?」今迄いろんな人に散々聞いた台詞ですけど、
1番聞いてみたいのは未来の自分にだったりする。

最近 “何で自分ばっかり” って不平不満が溜まっていた私に、
そっくりそのまま向けられているかの様な核心を突く回答にドキリとさせられました!!
しかし優しさと声援が込められた言葉の数々に、
1章読み終える毎に私の心のモヤモヤも浄化され 全部読み終えた今、
凄く晴れやかな気分になっています(*´∀`)♪

「こんな小説、読んだことない――
 読んだ方にそう呟いていただければ本望」

これは東野さんが公式HPを締めくくった文章ですが、こんなに泣けてドッカンドッカン来る伏線の回収が秀逸な作品は、なかなかお目にかかれないだろうと私個人の感想ですが本当にそう思います。

これまた最高傑作ですね(^^)b
『ナミヤ雑貨店の奇跡』★★★★★