MIYABIの部屋

いつの日もこの胸に流れてるメロディー

レビュー『人魚の眠る家』


東野圭吾作家デビュー30周年記念作品
さいしょに・・・
私の記憶が確かなら読んだのは多分4月…。
ぽつぽつ本は読んでいたんだけど、すべて読みっ放し^^;
夏休みといえば読書感想文?という訳で久々の読書レビューです!
 

今も夏休みの宿題に読書感想文てあるのかな??
少中学生の頃はすごい苦手でした、今だったならそこそこ力作書けてたかなー♫って…それは絶対無いヾノ´д`)ナイナイ

春以降に既読した本をランダムに更新していきます♫
お時間がありましたらお付き合いの程よろしくお願いしますm(_ _)m
 
 


東野圭吾人魚の眠る家
―答えてください。
娘を殺したのは私でしょうか―


内容を要約すると・・・
夫の不貞をきっかけに長女の小学受験が終わり次第、離婚をする播磨夫婦。
面接試験の予行演習直前に届いた娘が外出先のプールで溺れたという悲しい報せ。
病院へ駆けつけた2人に告げられたのは残酷な現実と思いもよらない選択だった。

過酷な運命に苦悩する母 薫子。
その愛と狂気は成就するのか・・・



ううう…重たいテーマだね。
何度も読みながら自分だったらと想像してみたけど、その時になってみないと、、、としか狡いけど答えられない。
それでも本当にその立場になったならきっと正気ではいられないだろうなぁ。

脳死や臓器移植については正直な話、小説やドラマ等で得た浅い知識しか持ち合わせていないのですが…。
身近な所だと、保険証の裏側には臓器提供の意思表示欄があるんですよね。
特に意識しての理由じゃなくいつも空欄のままにしてるけど、読了後にはこの問いの重さが増した様な気がする。

人の死にはふた通りがあって、
1つは心臓や呼吸が止まる心停止
1つは脳の全てが動かなくなる脳死
脳死と診断された場合本人の意思または家族の同意で臓器提供の有無が問われる。

人が生きる為に身体の組織を動かしているのが脳なので、脳の機能が停止すれば近い将来、心臓も停止するという事だけど…。
心肺が停止してしまった後では心臓移植ができないケースが大半で、ドナーを待つ患者さんを救えないって事だよね。

法が改正され本人の意思表示がなかった場合、両親等の家族に判断が委ねられる。
でもそれが自分がじゃなくて、自分の娘だったなら?息子だったなら?
作中の女の子が私のおいっ子と同い年で、母親の気持ちを想像したら・・・
色々と考えさせられましたねー。

難しいテーマなんだけど、やっぱり東野圭吾ってすごい作家さんよね。
娘が不幸に見舞われる悲劇、だけじゃなくて夫婦の離婚問題と事故に合うまでのプロセス、夫が最先端技術を駆使した医療機器開発経営者という専門家目線からの人体や科学技術の解説、そして複雑な家族環境と人間の権利でしょ。
愛情と狂気が紙一重に交錯するとことか読んでて止まらなかったですし。


「医療は日々進歩している」と簡単に口にしてしまうけど、今当たり前に動いている身体のほんの一部を医療の媒体を介すとすると、どれだけの労力や費用が込められているのとか。
健康でいられるってのはすご~く有り難い事なんだって改めて思うよね。
そして親の愛情も(;Д;)
医療ミステリー仕立てにしてない所が程よい感じで良いですね。


重たい話だけど東野圭吾は読ませるね〰。
東野圭吾人魚の眠る家』★★★★☆