MIYABIの部屋

いつの日もこの胸に流れてるメロディー

有川浩『旅猫リポート』

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旅猫リポート
ある事情から愛猫ナナを手放すことになった宮脇悟は新しい飼い主を探すため、愛車の銀色ワゴンで“最後の旅”に出る。
2018年福士蒼汰さん主演で映画化にもなった有川浩の長編小説。


内容(「BOOK」データベースより)

野良猫のナナは、瀕死の自分を助けてくれたサトルと暮らし始めた。それから五年が経ち、ある事情からサトルはナナを手離すことに。『僕の猫をもらってくれませんか?』一人と一匹は銀色のワゴンで“最後の旅”に出る。懐かしい人々や美しい風景に出会ううちに明かされる、サトルの秘密とは。永遠の絆を描くロードノベル。

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ほかの趣味に没頭するあまり、丸1年も読書から遠ざかってしまった^^;
気まぐれに本棚から未読本を引っ張ってはみたものの、集中力が途切れ再び棚へとリターンもあった中、これはホントに一度も中断する事なく睡眠削って一気に読みました。


大号泣。
活字で嗚咽したのなんていつ以来だろう。


幼い頃から各地を転々として来た主人公と、いまも親交の深い四人の友人達との再会に触れる度にどんどんと引き込まれ、先へ先へと食指を追う楽しさやイマジネーションを駆り立てる情景描写の美しさ、巧みさに心が高揚し、暫く忘れていた感覚がまた戻ってきたって感じ?


語り手がネコというのもユーモアがある上、主人公のサトルも三十路手前というのに素直で優しい、飼い猫に言わせると人たらし笑な好青年。
ナナの語り口も元野良猫ゆえのちょっと斜に構えた節でいてご主人様を心から信頼してる。ずっとこのまま一緒にいれたらいいのに…前半の私はほのぼのとした感覚で読んでいたと思う。


実際「なぜ猫を手離すことに至ったのか」というクエスチョンは幾度も出てくるのに、その度に口を濁すサトル。

野良猫のナナを家族として迎え、幸せに過ごして来た5年間に終止符をうってまで愛猫を手離す理由とはなんだろう?
ふと自分に置き換えて想像してみた。
天涯孤独な身上で猫とふたり暮らし、入院とか病気…と考えた所で一度首を振る。


そして迎えた最終章。
私の涙腺は崩壊した。


読了した次の日は酷い有り様だった。
目が腫れるほど小説で号泣したのも久しぶりだ。
映画公開の時もノーマークだったのであらすじも全く知らない状態で読んでしまったけど、動物と病気モノはもう不可抗力っていうか…絶対泣いてまうやろもぉ〰️。

今となってはなんでこんな良作、何年も放置しといたんだ💢と自分に腹が立つ。
うん、本読もー!!
それからTSUTAYAにも行かなくちゃ♪
読書メーターブクログも更新しなくちゃね^^;


控えめに言って最高☆
有川浩旅猫リポート』★★★★★