MIYABIの部屋

いつの日もこの胸に流れてるメロディー

レビュー『マスカレード・イブ』

 

東野圭吾著『マスカレード・イブ』
前作では殺人事件の犯行現場予告に一流ホテルが名指しされ、警視庁捜査1課刑事・新田浩介とコルテシア東京/フロントクラーク・山岸尚美がコンビを組んだマスカレード・ホテルのエピソードゼロなお話。
 

―すべてのストーリーには「前夜」がある―
―人は誰でも仮面を被っている―


※ネタバレを含みますので未読の方はご注意ください
 

“お客様”という仮面を剥がさぬ様プライバシーを尊守するホテルマンと、
ポーカーフェイスの仮面の裏に潜むもう1つの別の顔を暴く刑事のコンビネーションが絶妙で、前作が凄く面白かったのと二人が出会うもう少し前のお話と聞いていたので、続きが読める事を楽しみにしていました。

ホテルは今日も訳ありや込み入った事情を抱えたお客達が出入りする。
今作も名探偵宛らの観察力と洞察力で完璧な仕事をこなす山岸尚美ですが…

「私共はお客様の被る仮面を剥がさないと言う守秘義務が御座います。
その仮面の下が醜いのならば尚の事…」
…てか最後の一言いらなくない!?しかも客に言う!?Σ(`ω´♯)イラッ

更に新人クラークがクレーム対応にパニクってるのを暫し静観→リピート客大炎上→山岸尚美 颯爽と登場→過去の記憶を引張り出し機嫌が直る→お客様感動・山岸ドヤ!←(ベテランならさっさと助けろや
)
…そもそも接注事項あるなら最初から申し送りしとけよってハナシでΣ(`ω´♯)イラッ
こんなやり取りが度々出てくるので山岸パートはだいぶイラつく。

それに対し新田パートは癒しでした♡
新人当時から超生意気なオレ様だったけど、偽りを見抜く力がキレッキレで嘘で塗り固められた仮面を剥がして行く頭の回転の速さは、頁を捲る指先も急かします!
ん~♡新田刑事かっこいい(≧∇≦)

4つの短編で構成され、やがてあの事件への前日譚に繋がって行きます。
だから当然まだ二人はお互いの顔を知らないのですが、でも見えない所で交錯していて…
帯にある“伏線はここにある”になる訳ですね。

オムニバス形式なのでミステリーは軽め。
でも安定の読みやすさで、ブレイクタイムにちょうど良しでした♪

最終章の表題作は東野圭吾らしい理科学系要素もあり、新田とコンビを組む若手女性警官 穂積理沙も登場。
捜査の網がホテルに及び、理沙はあの才色兼備のホテルマンと出会う…。
この穂積理沙ちゃん、愛嬌もあるしガッツもある、一生懸命な姿は少なくとも山岸尚美より好感度高かった。
“ホテル”でも思ったけど・・・
私このヒロイン嫌いやわ(*`Д´)ノ
新田刑事とくっつく事だけは断固反対です!

でも新田さんの活躍はまた見たいです♡
『マスカレード・イブ』★★★★☆