MIYABIの部屋

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レビュー『ずうのめ人形』


澤村伊智著『ずうのめ人形』
著者原作の『来る』が12月7日全国ロードショー!ということで、2作目となる『ずうのめ人形』を読んでみました。
デビュー作『ぼぎわんが、来る』に登場の(もちろん映画も)比嘉姉妹シリーズ第2段で、都市伝説を下敷きにした怪奇ミステリー長編。
「その物語は、人を殺す――」


※以下、ネタバレを含む表現があります。
未読の方やこれから購読される方はご注意を。

「BOOK」データベースをもとに内容をざっくり纏めると…
オカルト系雑誌「月刊ブルシット」で連載中のライターが不審な死を遂げる。
第一発見者のアルバイト社員藤間洋介は、“読んだら死ぬ”という都市伝説『ずうのめ人形』と一連の事件との関連を疑い、先輩ライターの野崎と彼の婚約者で霊能力者の比嘉真琴と調査を始める。
原稿を読んだ直後から藤間の視界に現れた黒い振袖の日本人形と不可解な同僚の死。
迫り来る呪いの連鎖から逃れることは出来るのか・・・

****

心霊やホラーは得意ではないのに、この作家さんにはつい手が伸びてしまう…。
今回も時代背景は現代が舞台で、作中に登場する映画や作家も実名だったりでとても読みやすかったです。
呪いの人形に纏わる手記と標的となった主人公サイドが交互に展開していき、やがて2つのパートが交錯していく…というプロットで、ホラーというよりはミステリー要素が強かったからかさほど怖さを感じず読了出来たのかも。


読んでる途中、
むか~し私が小学生の頃に誰からか聞いたこんな話をふと思い出した。

在るところにSちゃんという女の子がいました。Sちゃんはお母さんが買ってくれた赤いくつが大のお気に入りで、何処に行くにもそのくつを履いていました。
ある日家に帰る途中、線路に片方の足を挟んでしまい、どんなに引っ張っても抜けません。

悪いことは重なり、向こう側から電車が近付いてくるのが見えてやがてカンカンカンと遮断機がゆっくりと降下し始めました。
くつを脱いで走って逃げれば助かることが出来たのですが、Sちゃんはそのまま電車にはねられ死んでしまいました。

赤いくつは遠くに飛ばされてしまい、とうとう見つけることは出来ませんでした。
Sちゃんはいまも赤いくつを探してさまよっているんだそうです。

そして・・・このお話を聞いた人のところに
「私の赤いくつ知りませんか」
Sちゃんが家に訪ねて来るそうです。

その時、ある言葉を唱えると帰ってくれますが
知らないとか適当な返事をすると
「じゃああなたのを貰うね」
もぎ取って赤く染まった足を代わりに持っていくんだそうです・・・。

突然のブッ込みスミマセン
今となってはいつ聞いたかも誰に聞いたのかもさっぱり覚えておらず、話の内容も曖昧で構成上、適当な脚色を加えて書いています。
本編とは一才関係のない、私の回想エピソードですが『ずうのめ人形』は当たらずと雖も遠からず…といったところです。

今日日、こういった所謂「都市伝説」や怖い話は誰しも何処かで1度は見聞きしたことがあるのでは⁉と思います。

本気でテンプレ通りな事は起こらないとは分かっていながら…でも何かこわい。
何が怖いってこのテの話はネットや口伝等で発信した人の知らない所で拡散されて、地域によっては具体的な地名や特定の建造物など尾ひれが付いてより信憑性が上がってしまうのと、もはや国民的レジェンド枠と言っても過言ではない「リング」の視覚的インパクトで、潜在的に背後から貞子が這い出てくる描写に当て嵌めて、それを頭に描いてしまうのが更なる不安や恐怖に繋がるんだと私は思うのよね。
久々に緊張感の漂う読書であったと今は解放感でいっぱい^^;

以前“ぼぎわん”を読んだ時、怖いから映画化しても絶対に観ないよってここでも書いたけど、岡田准一さんとか松たか子さんとか…キャスト何気に豪華じゃない!?
正直ちょっと気になります・・・
『来る』公式サイト→http://kuru-movie.jp/

この比嘉姉妹シリーズにはもう1つ、『ししりばの首』という短編集があるんだけど、シリーズ制覇してみちゃう!?

最後に私の小学校時代に聞いた怖い話の回避の言葉を一応記述しておきますね。
その呪文は「ソウブンゼ」と3回唱えればSちゃんは帰ってくれます。
そして次はソレを反対から読んでみて下さい。

お後がよろしいようで…( ノ;_ _)ノ 土下座

映画見た方は感想教えて下さい♪
澤村伊智著『ずうのめ人形』★★★★☆