MIYABIの部屋

いつの日もこの胸に流れてるメロディー

レビュー『レインツリーの国』


8月も今日で終わりですね。
秋になるのは嬉しいけど、今年もあと少しか~と思うと
寂しい感じもします。
さて、テレビでは恒例のチャリティー番組が放映されてますね。
外出してるので見てはいないけど、思う所あってこの本を書いておこうと思います。

ベストセラー作家 有川浩の代表作、
図書館戦争シリーズ『図書館内乱』の劇中作で登場する架空の小説を有川さんが、
実際に書き下ろしたのが『レインツリーの国』です。
シリーズはまだ読めてないのですが、問題なく読了できました( ´ー`)

ブログを通じて出会った男女の恋愛小説なのですが、健常者と障害を持った方との恋愛というのも題材になっています。

主人公は社会人3年目、関西出身の向坂伸行(HNは伸〔シン〕)。
自分の好きだったライトノベル小説のエンディングが納得できず、

「他の人はどう感じているのだろう!?」

そんな思いからネットを探る中、
レインツリーの国】というブログに辿り着くのです。

同じ小説が好きという親近感からメールのやり取りを重ね、
2人の距離感もぐっと縮まって来るのですが…

「会って話そう」というメールにブログの管理人、人見利香(HNひとみ)は
面と向かって話す事が難しいある事情を持っているのです。

学生の頃の滑落事故で耳に障害を抱えていたのです。

―普通の女の子の様に扱って欲しくて―

職場で障害者扱いされるストレスや健聴者へのコンプレックスから、
性格もちょっとひねくれた女の子にさせてしまったんですね~( ̄~ ̄;)

補聴器がバレないように。
字幕がないと感想のやり取りが出来ないから断固として字幕を譲らなかった。

少し短気な伸行は、メールでの我を押し通すひとみにイライラを感じる場面も。

しかし、思いもよらないハプニングが起こります。
2人が乗り込んだエレベーターは、重量オーバーのブザーが鳴り響き、伸行は後退するも当然ひとみの耳には届かない・・・・
誰かが降りるのを待っているふてぶてしさに腹が立った伸行は、強引に腕を引き公衆の面前で批難をまくし立て、ひとみを傷付けてしまうのです。

後になって真実を知った伸行は、自責の念に苛まれ今度は“障害者”としてひとみを気遣うのですが…それはそれで彼女を傷付け、どんどん卑屈になって行くのです。

難聴についてはとても良く取材が徹底されていて、耳がきこえないというのにも
“聞こえない”と“聴こえない”の違いがある事や、障害と共存する事について沢山のことを知ることが出来ました。

なんだか最近チャリティーという活動が、自分の中で疑問視する事があったり。

乙武さんが、「僕らが何か出来ると人は誉めてくれるけど、ただ普通に出来ることをやっているだけ」という様な事を聞いたことがありますが、感動させようとか思ってないし、特別な事もしていないんだよね~。
あ。特に他意はないですよ(ヾノ・ω・`)

勿論、なかなか思う様に運ばない恋愛のもどかしさや、こっちが恥ずかしくなる様な青春菌満載のやり取りとか、お互いの事を知る為にケンカして、理解して、受け止めて、もっと好きってなって…「恋がしたーいo(≧∇≦)o」
っていうキュンキュンポイントもたっぷり入ってますよ~!

最初はコテコテ関西弁ですぐキレる伸行も、僻みっぽくてちょっと面倒くさいひとみもあまり好きじゃなかったんですけど、その建前の裏ではそれぞれに傷みを抱え、
最後は格好いい!&可愛いいじゃん(*´艸`)に変わってました。
2人の幸せを願わずにいられません。

何よりも、読んだ本の書評ラリーとか、
待ち合わせは2人の好きな本の棚の前とか♡
本好きには堪らない“刺さる”お話(^-^)

困ってる人に手を差し伸べられる人になりたい
レインツリーの国』★★★★★