MIYABIの部屋

いつの日もこの胸に流れてるメロディー

レビュー『心星ひとつ みをつくし料理帖』


高田郁著『みをつくし料理帖シリーズ』
第6段 心星ひとつ

前作「小夜しぐれ」では、主要人物の悲しい過去や各々の現状を打破する1歩を踏み出した事で、澪の周辺が慌ただしくなって来ました。
そして澪が恋慕う小松原と想いが通じ恋の行方も急速に動き出した。
 
以下、筋書と所感です。
青葉闇――しくじり生麩
食材に身を尽くす…一鉢々心を込めた料理が絶賛されるのを見て、
なんだか此方まで嬉しくて涙ぐんでしまうほど順調に成果が実を結ぶ澪に
「料理人失格」と厳しい烙印を突き付ける人物が現れる。
つる家の常客、坂村堂がその鍵を握るその料理の真相は…。

天つ瑞風――賄い三方よし
吉原妓楼「翁屋」主人伝右衛門の厚意を受け、吉原で天満一兆庵を再建し
あさひ太夫を身請けする資金を貯めるか…
神田須田町の登龍楼を譲り受け、つる家を大店に育て
種市に恩を返すか…
澪の目の前に延びる2つの分かれ道…


時ならぬ花――お手軽割籠
今や料理番付常連となったつる家の客は町人だけでなく、
その中にはどことなく想い人に面影が重なる武家の奥方様の姿も…。
火事と喧嘩は江戸の華…相次ぐ火事により、
火の使用が規制され
澪は悩んだ末、冷めても美味しい料理に頭を悩ますのでした。

心星ひとつ――あたり苧環
澪の将来を揺るがす急展開が訪れる。
天満一兆庵の再建も、あさひ太夫の身請けも、つる家を一流料理屋にして店主に恩返しする事も…全て放棄して、御旗本の内儀として生きる女の幸せを選んだ澪。(こう書くと悪意が感じられるかな…)
そしてつる家での最後の仕事を終えた澪の心に沸き上がるもう1つの感情…

今迄してきた苦労を思えば、澪には幸せになってもらいたい!
そう願ってはいるのですが…何だろう!?このざわつく心は‼(/≧◇≦\)

「ともに生きるならば、下がり眉がいい」
これ以上にない言葉を愛しい人から貰えた歓喜の場面…
私が思うにおそらく澪は・・・(((;゚Д゚)))

嗚呼これぞ時代劇。・(つд`。)・。
「道に迷った時は自分の心の中にある1番光る星を目指しなさい…」
澪への想いを隠し相談に応じる若き医師、源斉先生の男心も胸に迫ります‼

澪の心星はどの道に光を照らすのでしょう。
シリーズ至上最も大きな転機でした‼
『心星ひとつ みをつくし料理帖  ★★★★★』