MIYABIの部屋

いつの日もこの胸に流れてるメロディー

レビュー『君の膵臓をたべたい』


住野よる著『君の膵臓をたべたい』
2016年の本屋大賞2位を受賞した住野氏のデビュー作で、
今月28日に全国ロードショーされる話題作。
通称キミスイ
そして、映画主題歌にはMr.Childrenの新曲「himawari」が起用されています♪



映画公開目前の、見る人によっては眉を顰めたくなるタイミングでの更新となってしまってすみませんm(;∇;)m
勿論真相を明かすような無粋な真似はいたしませんが、未読の方や映画を楽しみにされている方はこれ以上先を見ない事をお勧めします^^;





*****




―偶然、僕が拾った1冊の文庫本。
それはクラスメイトである山内桜良が綴った、秘密の日記帳だった―



最初に見た時にまずビックリしたのはこの桜の装丁からは想像も出来ない、ちょっと猟奇的(!?)とも取れる奇をてらったタイトル。
いつも笑顔で元気溌剌クラスの人気者の彼女と、地味で内向的な人付き合いが不得手なクラスメイトの僕。まるで月と太陽。そんな正反対な二人がひょんなことから彼女に纏わる“ある秘密”を共有、二人の距離も縮まっていく。



『—誰もが想像出来ない結末と、
タイトルに隠された本当の意味を知った時、あなたはきっと涙します—』


ネタバレしちゃうとね、冒頭は彼女の葬儀の描写から始まるんだけど、こんな若くして死んでしまうんだ…という先入観と、過去に読んだ本の手法やらムダ知識やら…。勝手なミスリードに自ら嵌まり、前述に至っては「え??」て思わず声が出ちゃった。
やっぱり「は??」だったかな。。。


前にサプリメントか何かの研修に行った時、薬膳の授業で体の弱い所を治したい時は魚や動物などの同じ部位を食べるといいという話を聞いた事があって、同物同治(どうぶつどうち)って云うんだって。
桜良ちゃんがホルモン焼きやモツ鍋を懇願する場面は可愛いくもあり、それでいて切なくもあったけど、それが後々の真相に繋がっていくわけなのよね。深いわ〰️〰️。


高校2年なんて何年前だ;;…ってほど、遠い過去になってしまった私には眩ゆ過ぎる程のキラキラさと、思春期特有の危うさ、歯痒さ、もどかしさが余りにも今の自分とかけ離れていて、最初は天真爛漫なヒロインの言動行動に親しみは持てど、これから起こりくる未来にどちらかというと親御さんの心境で読んでしまった節が^^;
10代の頃に読んでたならまた違ったのかもしれませんね~。


映画では原作には無い12年後の未来が描かれているみたいですね。
予告見ただけで既に泣きそうです(´;エ;`)
個人的には今夏公開の映画は気になる作品目白押しだな。


内容とは直接関係ないんだけど、読んでてよく解んなかった単語があってね。
草舟にも程がある」
草舟・・・くさぶね??そうしゅう??
1度ならスルーする所なんだけどこのワードちょいちょい出てくんのね。
高校生同士会話も成り立ってるけど、その倍以上生きてる私ゃ初耳だよ

電子辞書で引いてみたんだけど広辞苑にも該当なし、聞いたことあります!?

男の子が読書好きの文学少年なので、やたらと哲学的な持論や比喩を散りばめた達観した言い回しをしてて、きっと当時の私と同じクラスにいたら相成れることは間違いなく無いタイプだと思われ…(それか五月蝿いグループに括られて関心も持って貰えない方に百万点て感じだろけど
)

最後にずっと【いろんな代名詞くん】だった彼の名前が明らかになるんだけど。
なるほど。やっと腑に落ちた。
わたしの不得意なタイプだ。


話が脱線しましたが大きくまとめると、今日という日が2度と来ないように、明日という日が当たり前の様に来る保障はどこにも無いってことかな。
だから1日1日を大事に、自分で自分の限界を決めずに自分のスケールを拡げてくれる人は沢山いるに超したことは無い…と勝手に解釈してみました。

『死』を題材にしているけど、哀しみを乗り越えるだけじゃなくてその先にちゃんと希望があって、恋愛小説の甘酸っぱさや推理小説の謎解き要素も加わって、最後まで目が離せない1冊でした。
初めましての作家さんでしたが他作品も読んでみようと思います。


7.28 映画館で泣きましょう♫
住野よる『君の膵臓をたべたい』★★★★☆