MIYABIの部屋

いつの日もこの胸に流れてるメロディー

レビュー『無貌の神』


恒川光太郎著『無貌ムボウの神』
2017年新刊は6編成短編集でした。
夏目友人帳の斑様を彷彿する様なあやかし感満載の装丁に、これは期待出来るかもと楽しみにしていました。
1篇満40頁弱で完結するので移動時間に調度よい重量感でした。


内容(「BOOK」データベースより)
この世ならざる和風情緒が漂う表題作ほか、流罪人に青天狗の仮面を届けた男が耳にした後日談、死神に魅入られた少女による七十七人殺しの顛末、人語を話す囚われの獣の数奇な運命…暴力と不条理にあふれた世界に生きるやるせなさを幻想的にあぶり出す、大人のための暗黒童話全六篇!


●収録作品●
無貌の神
“あ~これぞ恒川光太郎”といえる和ファンタジー異世界輪廻転生物。
主人公の青年が幼い頃に迷い込んだ虚無に支配された集落。そこには虹色の光を放つ顔のない神様が存在していた・・・


青天狗の乱
元船乗りの男が語る江戸末期、流刑の地に住む罪人や役人達を震撼させた青鬼の面を被った闇の処刑人の話。
人ではない妖ももちろん恐いけど、生きている人間だって恐いよねって話。


死神と旅する女
ひょんな事から死神に人斬りの才を見出だされ、供に旅をする事になった少女。
解放される術は、死神が用意した殺し方でターゲットの首を確実に狩ることだ。
標的者が命を狙われるその理由とは一体!?


十二月の悪魔
パラレルワールドストーリー。
無期懲役や死刑執行を免れた罪人に新たに課せられた悪魔が監視する牢獄。
……読んでる途中何度も睡魔に襲われ、個人的にあまり印象に残らなかった…


廃墟団地の風人
よく漫画等で天人が人間界に落ちてしまい…
という感じのシチュエーションを見たことあるけど、そんな作風。
まぁでもやっぱり恒川光太郎が描くと、そうなっちゃいますよね^^;


イムルとラートリー
この話の主役はなんと獣!
人の感情が読めことばを喋る神虎と、障害を抱えた皇室王女の絆の物語。
ダークファンタジーだけど…最後はちょっと鼻の奥がツーンでした。


****


連作短編ではないのでどこから読んでもよろしいかと♪どれもこれも長編でじっくり読みたくなる良作揃いでした。
ただ…過去恒川作品を何冊か既読されたことがある方ならば、多少のデジャヴ感が否めないのは残念かなぁと。



恒川さんの「この世のものではないナニか」を称する独特のネーミングセンスが私は大好きだったんだけど、ここ近年は見た目そのままずばりの「金色様」とか本表題作の「顔のない神様」然り・・・まさかのネタ切れ!?

ハッ|д゚)!!
そういえば恒川センセ…ヤホーでブログされてましたよね・・・
辛口書評して何かの拍子でご本人の目にとまってしまったら〰️💦って久々に恒川さんのブログ訪問してみたんです、、、
そぉしたら・・・


記事が全部消えてるーーΣ( ̄ロ ̄lll)!!!!
ウソ…私が知らない間にブログ閉鎖したの!?
暫く更新見てないな~って思ってはいたんだけど…どなたか詳細をご存知の方はいらっしゃいませんかねぇ。


次回作とブログ再開の方も首を長くしてお待ちしています(*-ω人)祈
恒川光太郎『無貌の神』★★★★☆