MIYABIの部屋

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レビュー『ヘブンメイカー』

 

恒川光太郎著『ヘブンメイカー スタープレイヤーⅡ』
『スタープレイヤー』の世界観はそのままに新たな主人公を迎え、広大な異世界で10の願いを叶える力を得た者が描く理想郷とは何なのか!?人間の本質とは何なのか!?
興奮と感動を呼ぶ壮大なファンタジースペクタクル長編第2弾!
前作を上回る面白さでした☆(*^▽^*)☆


 
※以下ネタバレを含みますので未読の方はご注意くださいませ。
 
 
 
簡単に情報を整理すると・・・
ひょんなことから一等クジを当て10の願いが叶う特別な力を入手した主人公 。
神に近しい存在とされる「スタープレイヤー」達は、「スターボード」と呼ばれる通信機を操作しこの世界の何処かに点在する同類のプレイヤー、原住民や訪問者と交流しながらこの非現実的な異世界の裾野を拡げて行くという冒険ファンタジーです。

今回のスタープレイヤーとなるのは
中学から想いを寄せる同級生が殺害され自暴自棄となった大学生 佐伯逸輝。
クジをひき、目が覚めた場所はどこまでも果てなく続く青い砂漠。
スターボードで文章を送信し審査が通れば意のままに願いは叶い、更には死者をも甦らせる事も可能だと小百合と名乗る相談役兼案内人が画面から飛び出した。
逸輝が目指す平和な社会とは理想の国とは??
以下『サージイッキクロニクル』編。

もう1人の主人公は鐘松孝平、高校2年生。
バイク走行中ダンプカーに煽られ気付いた時は見知らぬ街の見知らぬ部屋。
「死者の町」と標記されるのをみると自分は既に生存してはいないのだと知る。
町で出会う人々も皆、何らかの事故死や病死、殺人事件の被害者までも…。
ここはある条件を満たした死者がもう少し永く人生を過ごす為の復活の地。
やがて孝平達は探検隊を結成し、町の外へと足を踏み出して行く。
以下『ヘブン』編。

物語はこの佐伯パートと孝平パートが交互に展開し、散りばめられた伏線を回収しながら最後1つに結束して行く様は「そお来たか‼」って鳥肌立ったし(°Д°)‼

ゲームでも自分の街を作って理想の都市開発をしてくってのがあるじゃない?
市長になって自然や公共施設をどんどん作り街は発展してくけど、
出入りする人が沢山増えるにつれ、新たな問題が起こったり色んな思想や意見が対立したりして…本書では人間の業の深さをぐいぐい曝け出しながら、人間の弱さや脆さを鋭く突いてくる・・・色々と深いわ~。

前作を読んでなくても十分楽しめる内容ですが、前作に登場した人物や都市も幾つか出てるので読んでた方がより楽しめるかな♫あ~ここに繋がるのね~的な☆
恒川さんの世界観満載の怪物や珍獣もたくさん登場するし、異国でありながらも和のテイストを感じられるのがGoodです。
ⅠよりⅡのが面白いのはポイント高いね!次回作も期待しとこ♪

“TO BE CONTINUED”の表記はなかったけど、この世界をつくったフルムメアというその実態は何なのかも謎のままな所を見るとシリーズは続くのかと思われ。
次はどんな歴史が更新されるのか楽しみです。

恒川光太郎『ヘブンメイカー スタープレイヤーⅡ』★★★★☆